医師と栄養と代謝の病気

代謝とは生体内で起こる物質とエネルギーの変化を言います。体外から取り入れた物質を新たな物質に合成したり、エネルギー生産や消費を行う、生命維持には欠くことのできない働きです。 

こうした代謝の働きに障害が起こる病気には、コレステロールの異常による高リポタンパク血症・低リポタンパク血症、水分バランスが乱れることによって起こる脱水・水分過剰、身体の酸性度またはアルカリ性度の平衡が崩れることによりアシドーシス・アルカローシス、そして私たちにも身近で現代病とも言える病気が栄養の異常代謝による肥満症です。

体格が良い、ちょっと太っているということは大きな健康問題ではありませんが、肥満という状態は身体に負担をかけ、様々な病気を引き起こす原因を作ります。

肥満とは正常な状態に比べて体重が多い状態、中性脂肪が細胞組織内に過剰に蓄積された状態を言います。肥満の判定は、身長あたりの体格指数(BMI)=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で算出され、この体格指数が25を超えると肥満と診断されます。肥満は糖尿病、脂質異常症、高血圧の最大の危険因子であり、これらが合併すると動脈硬化を経て血管疾患や心臓疾患を起こしやすくなることから、生命にもかかわる病気のリスクを高めます。

必要なカロリー量とは年齢・性別・運動量・代謝率などによって異なりますが、肥満は身体がエネルギーとして使う消費エネルギーよりも、食事などから得る摂取エネルギーの方が多いために起こります。肥満には遺伝的要因や環境要因の他、アルコールは食欲を刺激して自制心を低下させることから飲酒、妊娠中の体重増加がきっかけに太る人もいます。ストレスやホルモン、病気の治療に使われる薬が原因となることもありますが、身体を動かさない豊かな暮らしが肥満の大きな原因です。

利便性や効率化を追求した豊かな現代社会は様々な面でオートメーション化が進み、意識的に身体を動かす習慣を見つけなければすぐに運動不足になってしまいます。身体を動かすことなく消費エネルギーが減っても、自動的にそれに応じて食べる量が減るわけではありません。また現代の食生活では食事に含まれる脂肪の割合が高くなっています。脂肪は旨味や美味しさを作る栄養分でもありますが、カロリーが高く満腹感を感じるまでに時間がかかるため、つい食べ過ぎてしまう傾向があります。

肥満の治療は減量です。食生活では摂取エネルギーを1日1,200〜1,500kcalに制限し、1日30分以上の運動を継続することで消費エネルギーを増やします。場合によっては薬剤を使用し、BMIが40を超える重度の肥満症の場合には胃のバイパス手術を行って胃に入る食事の量を減らし体重を落とします。

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