医師とホルモンの病気

私たちの身体の中にはホルモンと呼ばれる化学物質が存在し、標的となる器官の働きに作用し、生命活動の維持や生体の機能調整などに働きます。ホルモンは体内で言わばメッセンジャー的な働きをしており、標的器官にくるとカギがカギ穴とぴったり合うようにホルモンは受容体と結合し、標的器官が特定の働きをするように情報を伝えます。ホルモンはごく微量でも非常に強い力を持ち全身のあらゆる器官の働きをコントロールしています。エネルギー消費、血液量の調整、体内の塩分・糖分濃度の維持など成長・発達・生殖にわたる様々なプロセスに影響します。

こうしたホルモンは非常に多くの種類があり、生成・分泌される場所、その作用を発揮する場所や方法も様々です。ホルモンを生成・分泌する臓器を内分泌臓器と呼び、脳視床下部・脳下垂体・甲状腺・すい臓・副腎・卵巣・精巣・肝臓・腎臓などがあります。

またホルモンは生命活動をはじめ様々な生体機能に働くため、ホルモンを生成・分泌する臓器に障害が起こったり、ホルモンの分泌が異常に増加または急激に低下した状態になると、そのホルモンが働くべき標的器官も正しく機能しなくなり、様々な障害が生じてきます。ホルモンの変調からくる主な病気には、糖尿病、脂質異常症、肥満症、やせ症、高尿酸症・痛風、バセドウ病、低血糖などがあります。

特に糖尿病は日本における患者数が約740万人、糖尿病の可能性がある糖尿病予備軍入れると患者数は約1,620万人、成人の約6.3人に1人が発症という日本の国民病ですが、糖尿病はすい臓がインスリンというホルモンを十分に生成しないために起こる病気です。

インスリンは血液中の糖を細胞に取り込んでエネルギーに変換・消費したり、蓄積するなどして血糖をコントロールする働きをしますが、すい臓でインスリンが十分に生成されないと細胞での糖消費がされないために、血液中に血糖があふれ出してきます。血糖が血液中にあふれた状態が長く続くと、急激に血糖値が上昇する糖尿病性昏睡(意識喪失)、視神経が傷つけられて糖尿病性網膜症(失明の危険)、糖尿病腎症(腎不全で人工透析が必要)など重篤な合併症を引き起し、血液中の血糖が多くなることによって動脈硬化が進行するため、狭心症・心筋梗塞・脳梗塞など生命に関わる疾患を引き起すリスクが高まります。

ホルモンは身体の機能調整に働く重要かつ繊細な働きをしているため、病気になるとホルモン様の薬物服用による治療や、ホルモンが作用している状態を維持した生活(例えば糖尿病では血糖を維持)など長期療養を必要とします。

後期研修医についてのまとめ情報サイト

Copyright (C) 2007-2013 医師とアレルギーの病気. All Rights Reserved.